僕らが初めて降り立った あの 大地に/狩心
共感は要らない
それでも君は泣いていた
横たわる誰かの傍で
その誰かの身体が透明になるまで
見守っていたいと
風が身体の中を通り過ぎていく
深々と降り積もる雪
項垂れた肩から滑り落ちる
理解と
孤独の狭間を垣間見ていた
(何も見えない)
それは静かに眠る
赤い目をした野獣の恐怖
煌びやかな謝恩の雨から生まれた恐怖
神経が具現化して飛び跳ねていた記憶
謝礼金はハタハタと舞って
二度目の間違いを
百度目の間違いと訂正した
すれ違っている
右目と
左目の交差点が
愛撫する
腐った臭いを
香しく 香しく
広がったエラ呼吸の窓が
事実を受け入
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