doll/poorguy
醜い微笑を浮かべる男達は
情欲の彼方に儚い幻想を抱くの
私を愛し
私を欲し
私を貪り喰らい尽くした豚共は
ワイシャツのボタンを閉めた途端に
現実世界へと帰ってゆく
合わせ鏡の中から覗(のぞ)く
心地良い笑顔と表情の無い二つの瞳
私の顔をした誰かがじっと
私を見つめ続けている
独り残されたこの部屋の隅で
引き裂かれてもかまわない
今の私が消えるのならば
私の現実は今
こうして見つめ続けている私が私
夕暮れ空の下 喧騒に揉まれ
独りぼっちで立ち止まる
空に瞬く一番星
あの星はきっと 私のものじゃない
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