まよい ふるえ/木立 悟
顔の上の腕を
動かすことができずに
からだを傾けると
丸太のようにころがる
また通りで
言葉を失くした
植物園と 博物館のあいだの
かたつむり
とすとすからたくたくまで
子らは楽しく迷っている
悲しみを悲しみに
そのままを笑む
雨が
雪になろうとしている
光の文字
したたることなくつぶやく
夜の青空
降り来る色
ひとりの周りの
聞こえない唱
およそ
あきらめられているのだった
金色(こんじき)に離れる
波のつらなり
火の大きさをまちがえても
言葉はまだ鳴りつづけている
異なる紙は異
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)