たましい/Utakata
ようなので
ときどき他所からお茶の葉を分けてもらいに来る人もいる
天気のいい日に お茶や
ポプリを作ったりするのも
仕事の一つです
ときどき
ことに雨が降り続いたりして
お茶を飲みながら ガラス窓越しに外を眺めたりしていると
今まで摘み取ってきた魂のことを考える
芽を出す前の
硝子の欠片のように無機質な魂の先端
それぞれが異なった人たちのものだったはずの 魂たちのことを
それらから育てたお茶を飲みながら
魂を持つのがどういうことなのかを考える
なにしろ
魂を持っていないので
自分自身のそれを摘み取ることもできない
そのことを考え始めると 少しだ
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