ノート(白午)/木立 悟
 


冷たさが遠くで
小さく音をたてている
防風林に少しずつ
柵がまわされてゆく
巣離れの近づいた
鳥たちの声が聞こえる



曇の表情の少ない日
声はどこか散りぎみに届く
水に震える
丸い午後のはじまり



灰に破けた光に照らされ
壁には右側の絵だけがかけられ
三枚一組の
残りの二枚は失われている



扉に 窓に
おりてくる影
迷い込んださえずりとともに
粗い光のまわりをまわる




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