ノート(白午)/
木立 悟
冷たさが遠くで
小さく音をたてている
防風林に少しずつ
柵がまわされてゆく
巣離れの近づいた
鳥たちの声が聞こえる
曇の表情の少ない日
声はどこか散りぎみに届く
水に震える
丸い午後のはじまり
灰に破けた光に照らされ
壁には右側の絵だけがかけられ
三枚一組の
残りの二枚は失われている
扉に 窓に
おりてくる影
迷い込んださえずりとともに
粗い光のまわりをまわる
[グループ]
戻る
編
削
Point
(2)