植物/小原あき
 
無言の種がいつの間にか芽を出していた
沈黙を守りながら
ときおり呼吸を整えて
少しずつ葉を増やしていく

色濃くなる葉
物語るのは血潮

忙しく変わる私の騒がしさを
彼らの静けさが中和してゆく

ゆっくり動く彼らは
口を閉じて
それでも確実に生涯を全うしている

私たちが忙しく生きることで
生かし生かされたいと思うことは
そんなに悪いことなのだろうか




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