それでもきっと季節は回る/明日殻笑子
かなかった
ポイズンピンクの涙が流れて
深呼吸の幸福感を不意に思い出しました
それからです、
足元に揺れる花に微笑めるようになったのは
それからです、
昔のようにギターを鳴らして
やわらかな風に負けない声で
大好きな歌をうたえるようになったのも
それからです、
小鳥の方から近づいてくれるようになったのは
それからです、
終わらない春に終わりが来て
いつかきっと春を待ち侘びる日が来ると
失くした心に炎を灯せたのは
変わり続けること
変わらないもの
永遠と呼ばれる全て
巡る巡るあたたかな想い
ここで笑います
これからもここで
どうでもいい
大好きな歌をうたって待っている
「 」
だからどうか泣かないで
またここで心踊る
素敵な景色をたくさん見つけたから
いつかここに来ることがあれば
何百と紡ぐ歌をいくらでも聞かせてあげる
こんにちは、
あなたはだれですか?
僕はずっとここにいて
巡る春を待ち続けているのです。
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