僕の迷路/友子
かまわないよ
僕はうしろを歩くから
「手をつなぎたい」
ちょっとそんな気もするんだけど
かまわないよ
僕はうしろを歩くから
君の真っ白なスカートが汚れて、
ちょっと残念なんだけど
かまわないよ
僕うしろを歩くから
蝶みたいにひらひら舞う君が
ときどき僕を不安にさせるんだけど
かまわないよ
―ああ、かまわない
僕は君の‘うしろ’を歩く
ねえ、でも待って
やっぱり手をつなごうか
―いや、
それでも僕はうしろを歩く
君が残した足跡に
一つひとつ鍵をかけ
君が微笑んだ華に
一つひとつキスをして
かまわないよ
僕はうしろを歩くから
足を止めて
振り返るその笑顔が
僕をまた、君へと迷い込ませるから
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