20080208/藤野鞠子
 
全部さらけ出して
書き留めていくのなら
ひとりになるしかない

でも
どこへ行きたいの
なにを生みたいの

高いところから吹く風に
足もとをとられて

きみにしか通じない言葉で
しゃべれたらいいと思った
いまは
きみにだけ通じない言葉が
ほしいよ

どす黒いとかげたちが
喉の奥からあふれだしそうだった
簡単になにかを台無しにしてしまう
だけど
なんどでもなんどでも吐き出して
吐き出して それから
日の光のもとで抱きしめたら
とかげは泥を脱ぎ捨てて
鮮やかな花や緑のように
輝くかもしれないって
思ったんだ

生きていたい
生きていたいって
[次のページ]
戻る   Point(3)