予感/唐草フウ
 

 ときどきわたしは きみのけいこくをわすれてしまっては
傷を縫った糸を食いちぎられる思いをする
 ときどききみは わたしのおもいなくときにあらわれて
たどたどしくやわらかく、レクチャーをして
 甘くにおう空は流れない
 ただ一片のくもりが晴れるだけ

  

哀しみを一滴、ください


からだをみせる事でしか、きみがよろこばないのであれば
よわい血管がせめて破裂しないように 踊り子
 冷えた酸素を肺いっぱいに吸い込んで
 冬の季節を味わいたいわ   
ぼくにそう言って ワルツのように
お別れのときの花に囲まれるきみが
見えるようだ


哀しみを スプーン一杯分 
ミルクにとかして
それを飲んだら
手をつないで 
眠るんだ

いもうとのような きみと




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