parallel contradiction/あすくれかおす
忘却の安堵感が
私の想いを包んでいた
夢の行方は もう忘れます
忘れるけれど
できることなら
今日の私
貴方のそばにいたい
一体僕は
いくつになるまで
今日と同じでいられるのかな
ビスケットが弾けるみたいに笑う
君のそばで
いくつになるまで
歳をとっていけるのかな
夕闇が不安の狭霧で満ちている
不時着しそうな甘ったれた期待を
敢えて音色にはすまいと
理知の蓋で
賢しらに感情を閉ざして
今は 別の雰囲気を物語っている
昨日見た夢は 現実になるのだろうか
僕がそこで見たものは
青い丘の静謐な家屋
大きな凪をグラインドする海鳥
必ずここに帰ってくる 橙色の空
僕がそこで聞いたものは
追憶の中を走る汽笛
若者たちの 打ち上げ花火の夜音がそれに連なる
無邪気に 水平方向に海面を滑って
漁火のような煌めきを
僕の心象に灯していた
夢の行方は どちらでもいいよ
どちらでもいいけど
なるべくなら
今日の僕
君のそばにいたい
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