parallel contradiction/あすくれかおす
呼び声が
何処からか聞こえるような
そんな日に立ち止まると いつも
湿った空気を感じるのは
何故だろう
どうでもいいことさえ
何かの力を帯びていて
私は今日も
精神のフープをたゆたって
朱に染まる空を
玻璃ごしに 見送っている
昨日見た夢は 現実になるのでしょうか
私がそこで見たものは
際限のない日なたの世界
反復する公園の遊具と はしゃぐ子供たち
日だまりで眠る 真新しい猫の家族
私がそこで聞いたものは
懐かしい木霊の嘶き
さんざめく 小さき命のビブラートが
繁茂して伝わる
故郷の森が そばにいるような
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)