そのときから新しく刻まれる/ホロウ・シカエルボク
 









君は月の背に腰かけ
ハイコントラストな
羽衣を織っている



僕は
凍てつく風を避け
木のうろにもぐりこみ
草の蔓をあつめて
ささやかな輪を作る



すべて失われた世界には
果てしない大地だけがある
君がいる世界から
穏やかなひかりが降りてくる





本当の時の流れは
しんと静止して見えるものだ





僕らは
それぞれの役割をはたしている
君は月のうえで
僕は木のうろの中で



眠りにつくときだけ
お互いのことを気にして
あとには
風だけが残る
砂が舞い上がる光景に
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