「こときり」/
たもつ
追いこしていく
別の名前たち
アスファルト
雨が水となって溜まる
ガードレール
のように
俺たち 無口だった
俺たち 平和だった
矮小なバクテリア
獏
そしてテリア
首輪をひきちぎり
テリア走る 北へ
背中の手が届かないところが
痒い俺たちは
ショウウィンドウを見ながら
お互いの背中を掻いた
俺たちはショウウィンドウ
になりたかった
俺たち 幸せだった
降りしきる雨の中
僅かな言葉で愛を語り続ける
俺たちはいつまでも頭蓋骨だった
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