雪への落書き/
楓川スピカ
まっしろな世界を見ると
落書きがしたくなるんだ
まっしろ世界にただひとりで
寝転がってひとりきりさ
からだを刺す
寒さと
何だか変な
思い出せそうで思い出せない
誰かの笑顔
刺されたまま
寝転がってひとりきり
まっしろ世界にひとりきり
まっしろ まっしろ
ひとりきり
まっしろ まっしろ
落書きをしても
まっしろまっしろ
降り止まず
そしてまた季節一巡り
僕は雪への落書きを
忘れられずに
戻る
編
削
Point
(1)