無題13/ねろ
 

黄緑色の 幻想達

食い尽くされた 穴だらけのキャベツ畑の辺で

取り残された 蛹 は唄う 昨日までに見た夢を

甘い花の蜜の匂いも 此処までは届く事は無く

青くて冷たい匂いのする 葉を齧る

空を自由に 飛び回る あの娘等の 

あのアゲハ蝶の様な 紺碧の空色した 大きくて美しい

素晴らしく美しい 羽根ですら 私は要らない

楽しげに揺れる うすい愛の色した 花々の

柔らかな甘い蜜に 身体を肥らせる事が とても怖い

煤けた 幼い身体は 今この一秒ですら 膨張し続けて 

きっと抱えきれなくなると 言うのに

願いは 叶わない

明日
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