■共同作品■ 冬のさくら/Rin.
夢路誘うは十六夜に
声なく花の散る姿
また立ち返る如月の
思いは誰に告げるべき
黒髪梳(けず)るいもうとの
面影やどる花びらは
雪の衣も厭わずに
音もたてずに我が胸に
この思い誰(た)に告げるべき
解けてはかなく冬ざくら
雲居は春か人はいざ
心に君は舞おうとも
触れえぬ肌がかなしくて
涙の温みはなお悲し
こころ奥処(おくか)の冬ざくら
紅さす指より白くあり
暦数えてまた涙
匂い儚く夢の夢
夜半(よわ)に強まる北風に
さらに舞い寄る冬ざくら
霞む灯りを掻き分けて
霞まぬ遠い夢の夢
戻る 編 削 Point(10)