栄光の下/木屋 亞万
傷付けあって
のたうちまわっている
まるで支柱を失った朝顔
太陽に近付くことすら
全くできない末期症状
恋する乙女は太陽を
太陽として眺めながら
がっしりとした支柱を捜す
自分を支えてくれる
軸のある真っすぐな柱
恋はいつしか愛に染まる
朝顔は朝に咲く乙女
初恋の太陽に向かって
そっと愛を開いて見せる
側には支柱が寄り添って
夜が来て萎んだ花の奥で
静かに種を作っていく
恋する乙女は今日もまた
家を出る前に朝顔を見る
玄関の向こうで太陽が笑う
支柱は静かに立っている
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