海鳴り 何も特別ではない一日/いねむり猫
 
できない

何度目かのまどろみから しかたなく目を覚ます

海の色は すでに重くうねる灰色に変わって 
夕暮れの嵐を待っている

潮風にまきあげられた砂が 
私の髪を 砂丘色に染め替え
熱を持った体は
腕から冷えかけている

何も特別ではない一日が
流砂のように 降り積もり
その過ごした時間の重みで
何処へとも知れない 砂の底へと沈んでゆく旅

虚ろであることが ゆるされている
小さな奈落への旅路


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