かえる ほとり/
砂木
暮らしてゆく
かこいの上
眺めると流れがある
土から
かえるためだけに
乞う 涙ではない
吹きなれた風の足が
ところどころ 無くした
甘いくぼみに にゃーと泣く
逆らわずに
避けられずに
朽ちていった笑みのほとり
かまわずにおいていって
約束だけ残して
水脈の途切れた土地の
枯れない孤独
包むものもなにもないけれど
眼を閉じて 囲う夢の街
眺めると 眠る川
流れる 真昼
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