紫鬼のお面/北大路京介
毎年、節分の時期が近づいた頃
駅には近所の小学生の作った『鬼のお面』が飾られる
"上手な子"の作品が選ばれて飾られる
自分の作ったお面が飾られる子供は
近所の おばちゃん達から
「すごいね」「うまいね」と褒め称えてもらえる
小学2年生の二郎くんも自作のお面が飾られることを夢見ていた
二郎くんには2歳年上の兄がいた
兄は成績優秀、運動神経も良く、神童と呼ばれていたのであった
二郎くんは、そんな兄にも負けないと思う教科が唯一あった
図工である
二郎くんは、絵を描くことが好きだったし、工作も得意であった
クラスメイトも全員、二郎の才
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