祖母ジュース/石原ユキオ
長年患った糖尿病の悪化により、祖母石原みよしの尿はパイナップルジュースになりました。寝台の横に置かれたポータブル便器よりこんこんとわきいづるアンモニヤ臭の中に仰向けていた石原みよしはいまや、ふんぷんたるトロピカルの中心に坐し、ウクレレを奏でています。
長年患った糖尿病の悪化により尿がパイナップルジュースになってしまった祖母石原みよしはいまや、一家五人の貴重な栄養源。ポータブル便器のバケツ部分から五つの湯のみ茶碗へくみ分けて、湯気の上がるそれをいただく我が家の朝食。祖母みよしを囲んでの一家団欒。
便座の裏側に結晶した祖母みよしの尿はパイナップル糖として売られています。ゼーエー岡山
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