愛なき殺戮/atsuchan69
 


聖と俗とが交じりあう
その日のため、
僕は秘密裏にケーキを焼いたのだ、
純白の丸いジェノワーズには
けしてありのままではない
沢山の十字架の愛と死で飾ろう

呪われた、愛という名の
逞しき罪のことばを並べて――

では新年を祝おう、
皆がありのままの姿を互いにみつめ
野性の豚にもどって
真夜中のパーティをはじめよう
ヤクザも殺し屋もグラスを手にし
世界中の死の商人たちへ
祝福された粉末ウランをまぶして

 もっともっと愛しあおう、
 かよわき人らよ
 そのおびえた唇で
 心なき世界を祝おう

特大のケーキの中からとびだした
黒いバラクラヴァ帽
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