変身/ヨルノテガム
そびえる山の向こうの山模様
鳥、または忘れられた鳥
珠玉、飽きられたそれ
怪人たちの忙しい、何も起こらない毎日過ぎ過ぎる 怪奇の
背中まわり込むまでの歩行と穴底へと。
深海、魚潜り込む
別人へと別魚へと
想い消え失くなりて
巨人へと巨魚へと
思い来る漆黒へと変形へと
うすきみの森の亡霊やらロボットやら
巨大化したもうふたりの悪魔やら 美しいのは
それを思い出せないの、やら
想い浮かばないの、やら
午後から始まる紙切れの戦いやら
何もない所の住人となりて
簡単な考察と断片の集積が「私」の景色と視点を
新しく鈍らせる
動かさない身体の向こうの
身体模様
私、または他の誰でも。
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