初恋/海月
 
休みの間にもう一度会いたかったので、予定を聞いてみた。
「明日からは予定とかあるのですか?」
「私、明日から入院するから・・・」
「え?」
「○○病院。それじゃ時間だから・・・」
それが最後の彼女との言葉となった。

彼は彼女との約束を守れなかった。

それから三年後。

たまたま、電車の中で彼は彼女に会う。
だけど、彼女は気づいていない。仮に気づいても人違いと思っている。
彼の言ったあの時に言った高校は別の駅を使うから。
彼も罪悪感で一杯だった。
その為に彼も彼女に何一つ声を掛けられなかった。

風の噂だと、彼女は誰でも知っているほど一流大学に通っている。
そんな彼はボールペン共に三流大学に通っている。

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