冬の水鳥/チアーヌ
 
あなたのために
わたしの肌は温かい
沼の上で首を竦めて眠る
冬の水鳥みたいに

爆弾を仕掛けたビルが
崩れ落ちるときに降る白い粉を
振り払い
振り払い
必死で走るあなた
上など見られないね
それでもたくさんの粉を吸い込んで

今日も地面は揺れました
ねえでも
爆弾なんか仕掛けなくても
どうせ壊れて行くよ
だから怖がらないで
そして
焦らないで

ねえ
水鳥はいいね
沼の上でいつもゆらゆらと
揺れているよ

わたしは
優しい主婦みたいに
ちょっと荒れた手で
あなたの頬を撫でる


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