簡単に空を空とは呼びたくない/
小原あき
笑っている
見下ろされて恥ずかしくなる
毎日は
知らないところで進んでいた
取り残されたような寂しさが
独りぼっちみたいで悲しかった
あの、
昼間に薄く青くなる
広大な陰の側面を
どう形作ろう
固定された記憶に
悲しかった涙を足して柔らかくして
粘土を捏ねる
出来上がったものを
差し出したら
それで良いんだよ、と
笑ってくれた
同じ目線で
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