たとえばいつか/石瀬琳々
 
たとえばいつか
時計の針が十五時を指したら
南向きの窓辺に腰をおろし
熱いミントティーを飲む
白壁とコバルトブルーのきらめく
シティ・ブ・サイドのカフェにいるように
乾いた風が吹いたら
やさしい眸(め)をした異邦人になり


たとえばいつか
水差しの花がさよならを告げたら
北向きのガラス戸を開け放ち
心地よい壁に寄りかかる
石畳とタイルがそぞろささやく
バエサのパティオに立つように
星が静かに瞬いたら
心のギターをポロンとかき鳴らし




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