批評祭参加作品■回り道、つぶやく。 ??五十嵐倫子『空に咲く』について/岡部淳太郎
それでも何も買うものが見つからなくって
下へ
下へ 下へ 下へ
地下1階は食料品売り場
誰かが食べているのを見て
何となく たいやきを
1つだけは気が引けるから 2つ買う
家に帰ってからチンして食べることにして
外へ
外へ 外へ 外へ
桜咲く公園へ
散歩しよう
(「たいやき 友だち」部分)}
心の動きをそのままつづったような詩行である。「日曜日の夕方/このまま終わってしまうのはいけないような気がして」というのは、とてもよくわかる感覚だろう。その後につづくショッピングセンターの描写、「誰かが食べているのを見て/何となく たいやきを/1つだけは気が引けるから 2
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