語り/
湖月
青白い手のひらに紅色の月を透かし
斜めにそびえる塔への梯子を探せば
遠くに捨てた金の鍵が森の中できらりとひかる
朽ちた木のように横たわる老婆と少年の
永い恋は幕を閉じ
後に残るは少年の罰
銀色の鋏が目蓋を切り裂く夢に囚われる
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