軽い身体/たもつ
 
 
話す声が小さくなっていく、朝
きみは一冊の
ノートになった

軽くなった身体をめくって
話の続きを書く
これからは大切なことも
大切、とは少し違うことも
こうしなければきみに届かない

黒子の位置も
小さいころ深く切った指の傷も
探さなくてもわかってるのに
当たり障りのない言葉だけが
きれいに並んでく

あなたはいつもそうやって逃げる、と
ぼくは自分で書くしかなかった
 
戻る   Point(21)