冬/湖月
 
月よ灯を
雪や雫を

白い夜に犬よ這い回れ

長き夢よりの無形の使者
跪けと唸る永劫の王
雪に埋まる娘は白銀の一滴

雨に声を
雲に土を

欠けた月を眼にうつし
一斉に呟く絶望

「この炎では天へと昇れまい」



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