網膜の海/たけ いたけ
重い眠気の網膜に映る景色に
君の目と母子の姿とシマウマの目
違う世界に生まれた僕を呼んでいる様に
耳鳴りが高く鳴り止まない
雨と雨と晴れ間と入り混じる
煌々と太陽の明かりは次々と映し出す
僕の網膜の奥にまだ世界が未明のまま待っている
君の目は僕の網膜と繋がり
母子の祈りは網膜の中で広がり
シマウマと網膜は愛し合う
未開のサバンナが広がり
未開の青い海原でサバの大群が左へ右へ急旋回しながら遊泳している
昨日ギラギラとしたネオン街の真ん中で
様々な目の中で何処にも居場所がなくすっぽりと落下していった感覚の応え
僕の方を振り向きもせずに
小さな少女が詩を綴っている
黒
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