批評祭参加作品■ダイアリーポエム調の散文/mizu K
と思う。
あいつらまた朝からよろしくやってる。殺意を抱く。バーコードのおじさんはいつも左側
を歩く。毎朝鬼のような顔をしてすれ違う人がいる。ビルに近づく。すると同じ会社の人
間が目につくようになる。それまでも同じ方向に歩いていたはずなのだが。しかし挨拶は
しない。エレベーターのところでやっと今日初めて気づいたように挨拶をする。ぎゅうぎ
ゅう詰め込まれて今度は階上へ。だれも喋らない。数字だけにらんでいる。あるいは携帯
を打つ音。
自分の席に着く。今日も上司のネクタイはひどい。メールチェックする。いくつか返信
する。いくつかは詫びを入れる。いくつかには高圧的に書く。恋人ににゃんにゃん
[次のページ]
[グループ]
戻る 編 削 Point(4)