彼等のためのソナタ(香りつき)/
千月 話子
なら 伝えてあげるよ
君の好きな窓の住所を聞いた
ブルーベリーガムの甘い息
曇りガラスに丸い文字
数秒したら消えてしまうし
何度でも「は」と言うよ
君の想いが伝わればいい
何度でも 何度でも
寒い朝 窓ガラスには
昨日書いた住所が半分
この窓にも あの窓にも
ボクの好きなカノジョの四角い窓にも
深い想いが少しずつ浄化していく
水蒸気は とても甘い香り
戻る
編
削
Point
(7)