炭素循環 ☆/atsuchan69
 
     一

 細かな枝をつたう幽かな震え
 桧皮色の樹皮を湿らせ
 梢を這う、自動律たる水の脈動 )))
 沁みゆく荒地の渇きへ
  一滴、
 地球システムを孕んだ涙のかたち

 そびえ立つ雪山をパノラマに見渡し、
 麗らかな陽を浴びた裾野に悠々と雲はながれて
 翡翠の大地へちらした群生の青き斑、
 妖しい風の草を薙ぐ野辺に
 点々と彩るブルーオキザリスの花の一つが
 激しい雷を秘めた雲の下に咲き

 やがて小さな葉をゆらす大粒の雨、、

 
     二

 夥しい廃墟を築いた治世と占星術の
 氷河を渡る歴史という名の小舟。
 血に染まるコンパス
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