進化の子供たちは/Utakata
に本当に陸地に上がるまでのあいだに
五億年の時間が流れなければならないことを
僕たちは既に知っている
その長い時間
暗闇の中に描かれた二本の螺旋を
僕たちはゆっくりと駆け下りていく
手に
手を取って
瞼のない瞳で僕たちは夢見る
五億年のあと
再び陸に上がった僕たちは
再び大地に立った進化の子供たちは
僕たちが夢で見たように呼吸をし
大地を駆け
壊れやすい柔らかな肌に体温を宿すだろう
彼らは
僕たちが夢見たように声を上げ
互いに抱き合い
月の下で螺旋の形をした愛を紡ぐだろう
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