山道で蹲る、由美子/
N哉
も良かった。やっと、あの激しい痛みから解放されたのだから――。
おれは由美子が死んじゃったみたいに思えてウルッときた。他の男子も同じだ。先生が小さく「ありがとう」と言ったときには、皆が立ち上がり鳴り止まない拍手を由美子に送りそうな勢いだった。
「さて、作中に登場する「私」が、実は狐だった件について」
切り替えの早めな先生に由美子は残念そうな顔をしたが、その点おれは未だ切り替えられずにいる訳だから、合格点と言えるだろう。
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