批評祭参加作品■ネット詩fの裂け目から/2TO
書店に置かれていた詩集が店頭から取り下げられた」という、商業的なものとして類推されているのは注目に値する。この場合、後者は”物的な流通”として公共空間から姿を消すことを意味するが、前者は”現前的なもの”として公共空間から消え去ることを意味しており(はたして店頭から消えた詩集が焚書されてしまうのであれば別だが)、例としては不適格なものであると言うのは前に述べた。しかしながら、ここで重要なのは詩集(詩作品)がその流通を前提として記述されている点である。詩作品は商品であるかぎりにおいて、そこには市場というシステムが存在する。ここには市場での流通という印刷物についての論理が、ネットにほぼそのまま持ち込まれ
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