海と空の間/doon
 

 時間の過ぎた大きさを
 ときに強烈に感じる事がある
 不思議と馬鹿をやっていた時代に
 さりげなく聴き濡っていた歌
 時代を経た瞬間
 実しやかに去来する空虚感
 一歩も二歩も向こうにあったと思っていたものが
 何れやがてという姿を仮初め

 珊瑚の願う空模様
 
 多くを置いていた事がはっきりと見える
 呼吸の一つ一つが 故郷の中で突き動く中
 大きくなった人の心の形まで
 誰しもそのままではなくなっていくのが
 泣いていいものなら泣いてみたかった

 願わくば 珊瑚に空を与え給え

 ただひたすらに現実は伸びている
 この一言の中にいくらの残酷さが
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