花と花/
木立 悟
もの
しずけさにしずけさに
植えられてゆく
ぽつぽつ覆う
一重一重のあつまりがあり
指にひらかれ 指に映え
暁に陰に漂っている
またひとつ短い柱を燃やし
草の火 草の火とつぶやく声
疑いを染める幾つかの煙
洗うようにくゆらす短い煙
しずけさに植えられていたものが
何かを言いかけたくちびるに咲き
近づく指から目をそらし
硝子に分かれる朝を見つめる
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