批評祭参加作品■現代詩の記号論2/葉leaf
のである。
我々の現実は、自然法則や人間関係の法則などによって規律されている。それらの法則を「世界の法則」と呼ぼう。世界の法則もまた、テクストを規律するコードとして働く。現実にありえる出来事は許容されるが、現実にありえない出来事は、原則として世界の法則により禁止される。これは言語が要請するコードではなく、世界が要請するコードである。
世界の法則が破られるときに現れる世界は、現実存在しえないが、論理的には存在しうる。そこでは現実と論理が激しく対立する。読者はその対立に身をおきながら、新奇な世界の現出に胸をときめかせる。世界の法則というコードを破ることによっても、読者に情緒的興奮を与えることが
[次のページ]
[グループ]
戻る 編 削 Point(5)