批評祭参加作品■現代詩の記号論1/葉leaf
 



1.2.1.詩学屍体解剖説の前提とする比喩

 まず、「詩の屍体解剖」という表現は比喩であることに注意しなければならない。詩には生命がないし、身体もない。だから、論理的には、詩を殺すことも解剖することもできない。「詩の屍体解剖」という表現においては、次のような隠喩が使用されている。

 MD1.詩は生命を持つものである
 MD2.詩は身体を持つものである

 「生命を持つもの」の役割=要素として「生命」がある。MD1が成立するためには、詩のある役割が、「生命」と、ある共通項によって比喩的に結び付けられているはずだ。いったい詩のどんな役割が「生命」と比喩的に対応しているの
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