批評祭参加作品■現代詩の記号論1/葉leaf
 
分析がどれだけ精密かつ合理的に対象を理解しているかを基準に評価するのであって、どれだけ情緒的効果があるかを基準に評価するのではない。ある分析を評価する基準として情緒的作用を持ち出すのは、身長を測るのに体重計を持ってくるようなものである。評価する基準が適切でないのである。分析はそもそも情緒的高揚を得ることを目的としない。それゆえ、分析に情緒的効果が伴わなくても分析の価値はなんら減ぜられるものではないのである。
 次にC2を検討する。C2は、詩学は詩の現示する真実や美(ここではC3の趣旨も含めて考える)を全体性においてとらえることができないとして、詩学を批判する。
 まず、詩(より一般的には芸術)
[次のページ]
[グループ]
戻る   Point(6)