死んだアイツのことなんて、どうでもいいと思っていた/わら
張り裂けんばかりの絶望を
あふれんばかりの孤独を抱いて、
アイツは、全身を
冷たいアスファルトに叩きつけた
*
あれから、いくらかの季節が流れて
いつからか、また
おれは、人を愛することを求めてしまったよ
ふつうの人間ヅラして
人々の中にとけこんでいる
ほんとは、どれだけ、うまく笑えるかも
わからないのにな
それを隠したいがためか
だれかにぬくもりをもらいたいがためか
それも、わからないままだ
わきもとへ舌をはわす
形容は
そんな所作のカタチ
死んだアイツのことなんて、どうでもいいと思っていたと
自分に言い聞かす
そして、おれも
どこかで、やっぱり選んじまったときには
死んだアイツのことなんて、どうでもいいって
言われんのかな?
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