光の骸(再々改訂版)/ダーザイン
「本当は二人なんだけれど」と
問うた者には解らない悲しい思いを胸に答えていました
しばらくして甥が夢に出てきました
甥は目が見えず 体が非自由なようで
暗い影のような姿になって
家の居間を這っていました
迷っているのかなと思った僕は
すぐに飛んで行って抱きしめました
それ以来、甥の夢は見ていません
空には神様の痕跡もなく
私には赦すことも赦されることもないのだけれど
存在することのないひとつの唄を
唄うことができただろうか
空の青みをひとつかみ
手にすることができただろうか
光の骸を胸に抱いて
間を歩む歳月を
悲しい目をした天使がひとり
そっと微笑んで
見つめている
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