「know」/菊尾
頷くのは日が傾いてから
寂しい空想はいつまでに片付けよう
長い間向き合ってきた
軋む神経は夜を引き伸ばす
慎重に摘み取った言葉は
どこかへ埋もれてしまう
曖昧でも縋れるからと嘯く君は
帰りを待つ子供のような顔
言いたいことはその場の空気に流されて
長い坂の下で飛び散った
生きているのは
なんとなくが今まで続いただけの事
興味は薄れてしまうから
痛いくらい優しい顔で君は言う
思い込みで不意にした
どこまで数えられてたんだろう
答えなんて出ないから
なんだって正解にしたいんだ
一番楽な手段は過信だって
どっかの誰かが言ってたよ
それを信じようとして無理をする
君は不器用ながらも前を見る
月の跡を追いながら
隣で呼吸を整えて
あの日の続きをゆっくり始める
足らない部分は繕いながら
どれぐらいまで寄り添える?
そんなこと
知らないし
知れないよ
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