六花(りっか)/石瀬琳々
 
君を知るはじめての雪くちびるに
    触れるまもなく溶けゆく微熱


汽笛過ぎたどる鼓膜に降りかかる
    細雪(ささめゆき)かな哀しみかすか


綿雪がいつか隠してくれるまで
    忘れてもみる赤いロンリネス


白い檻帰り道さえ見失う
    目にも口にも夢にも粉雪


はだれ雪道にひっそり消え残り
    何かうれしく何かさびしく


ものも言わず寄りそうだけの思い出に
    熱い花びら散らせ淡雪(あわゆき)


    
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