水槽/黒子 恭
アクリルの壁が崩壊するまで
後、何度
瞳を交わすのだろう
繋がらない世界と世界の
境界線で
誰もが気付けないまま
/水中の鳴き声で
目を覚ますまで
僕らは過呼吸だ/
群れから離れた一匹と一匹の
さみしい魂が、そっと
アクリルの端っこを
探して、探して、
疲れ果てていく様を
誰かが知っていたとして.
/深く潜っていった先に
僕らは、どれ程の涙を
溜め込んでたんだろう/
まどろんだ向こう側
過呼吸の僕ら
互いの意識を
さらっていく午前、
誰も知らない場所で
沈んで消えていくのか
なあ、
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