朝焼けにタンバリンを鳴らせ/黒子 恭
どうにかなってしまいそう、
あたたかさの包みこんだ夜の隙間で
うたうたいの瞳がやがて変えて、いく、向こう。
憂鬱ななきごえは
黒に近いグレーみたいだ あれが、
夜明けに近づいて
すうっ と、
生まれ始めた、ような、向こう。
朝焼けにタンバリン
鳴らしたがる皆で
街が構成されたら、
朝焼けにタンバリン
きっと似合うのに
皆 恥ずかしがり屋
喉仏の真ん中の熱っぽさ、
朝らしい朝なら、溜め息って不純物
なんだろうか
外はまだ
やわらかい色で
皆、ちょっと綻んだままで
生きてく。
朝焼けにタンバリン
朝焼けにタンバリン
鳴り響くまで、
僕ら薄明るい
空みたいだ。
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